この記事の目次(クリックすると段落に移動します)
高学歴でも就職ができない理由
僕には京大卒の友人がいます。
彼は在学中だけでなく、卒業後も京都に住んでおり、当時も今も京都に旅行に行った際は、観光の穴場を教えてくれたり、飲んだりすることもあります。
京都大学というと、東大に次いで合格の難しい超難関校のひとつです。
彼はもともと志が高く、高校当時から、ひたすら勉強していました。
特に読書が好きで、本の虫でした。
夏休みなどは、学校の図書館から借りた大量の本を、大きな手さげ袋に入れて持って帰っていたのが、印象的でした。
そんな彼は、哲学の研究者になるため、卒業後も研究室に残り、教授になるべく論文を作っている毎日です。
しかし、学校に残ったからといって、すぐに教授になれるわけでもありません。
研究者も助手、助教授、准教授、教授と出世しなければ、上に上がれませんし、何しろこれが非常に狭き門なんです。
学校からはまともな給料がもらえない彼は、アルバイトをかけもちして生計を立てています。
民間の企業に就職することもできなくはないのですが、「哲学」というジャンルがあまりにマニアックなので、学歴の割には就職に活かせないというのが痛いところです。
また、研究者としてステップアップするには、論文が学会で認められるというのが大切で、民間企業に就職すると、論文を書く時間がなくなるというのも、大きな問題です。
そんなこんなで、彼は卒業して10年たった今も、アルバイトを続けながら研究職を狙うという、極めて不安定な状態にあります。
高学歴だと具体的に何が得なのか?
日本の教育は、とにかく良い大学に行くことを目指して勉強させます。
京大の彼と僕が通った母校も進学校だったため、勉強漬けの毎日でした。
学校の先生は、模試で我が高校はどれだけいい成績だったとか、地域で何番だったとか、言ってくるんですが、こちらとしては自分の成績にしか興味がないので、どうでもいいんですね^^;
では、なぜいい大学に入った方がいいかというと、やはり就職に有利だからですよね。
任天堂だの、NTTドコモだの、伊藤忠商事だの、マスコミだの、出版社だの、誰もが知っている企業は、他に比べて高収入だし、休みが多かったり、福利厚生が充実しているわけです。
おまけに、大きな企業に在職していると、銀行などでローンが組みやすかったりもします。
会社の信用があるからですね。これも大きいと思います。
だから、これといってやりたい仕事がないとか、とりあえず大きい会社に入れれば安定だし、安心。
これはある意味、事実だと思います。
あえて問いたい。安定の人生が最高なのかと
しかし、ここであえて考えてほしいんですね。
安定の人生は果たして最高の人生だと言えるのかと。
僕は鉄道会社に勤めていたので、内部事情がよくわかるのですが、会社の経営はかなり安定していました。
鉄道やバスなど公共交通機関というのは、相当な現金収入があるからです。
また、乗客が突然、前の月よりゴソッと10%減るとか、ありえないんです。
そういった安定した定期収入があるから、住宅事業とか、百貨店、スーパーなどの小売事業もしやすいわけです。
しかし、こうした安定した事業に、ある意味あぐらをかいているのも事実です。
会社が保守的で、変化を恐れるという側面もあります。
安定した会社なので、安定を求める保守的な人材が集まるという負のスパイラルになりやすいのです。
そして、大きな会社でもっともリスクがあるのは、社員が多すぎる、ということもあります。
社員が多い。ちょっと考えるとメリットの方が多い気がしますが、意外とそうでもありません。
例えば、自分がマジメに働いていても、まったく関係のない部署で、大きなミスであるとか、ひどい場合、大きな不正行為や犯罪行為を行い、会社に大きなダメージがあるというケースがあります。
僕が勤めていた会社では、乗務員の飲酒運転が発覚し、乗務員以外でも、毎朝アルコールチェックをするという規則ができあがりました。
別に会社の車に乗らないとわかっている日でも毎日アルコールチェックをしなければならないので、週末くらいしかお酒をたくさん飲むことはできなくなりました。
世間で有名になったことで言えば、神戸製鋼のずさんな品質チェックだったり、日産の燃費データ改ざんなどもそうですよね。
自分が真面目に働いていても、身内が足を引っ張って、会社の業績、自分の給料に悪影響を与えることがあるのです。
給料が上がらないくらいならまだいい方で、事業の縮小などでリストラなどされようものなら、目の当てようがありません。
僕が本当に気にしているのは、この点ですね。
大きい組織に属していると、自分に関係のないところで、自分に悪影響があるかもしれない、ということです。
自分の人生を他人に預けている、と言っても過言ではありません。
真に良い仕事とは何か
優秀であればあるほど、組織に自分が埋没してしまうことに危機感を感じます。
自分の能力に気づいてもらえない、あるいは、周りが足を引っ張る。
こういう人は、大企業にいることに満足を得られないと思います。
こんな時代だからこそ、大企業であっても、何かの拍子で経営が大きく傾くことだって、充分ありえます。
これは決して言い過ぎではなく、実際、SHARPは外資に買い取られましたし、東芝は経営不振だけでなく、会計で不正を行いました。
高学歴だからとか、大企業にいるからといって、人生安泰ということは絶対ありません。
もちろん、だからといって、学歴なんていりませんとか、いい企業は絶対に避けるべきということではありません。
論理思考力やコミュニケーション能力向上のために、学業もまったく役に立たないわけではありませんし、新卒で入るなら、まずは大企業に入社するという戦略でも問題はありません。
問題はその後で、大きな会社に勤めていても、定年まで安泰と考えるのではなく、転職を含めたキャリアアップを考えたり、起業を考えたりした方がいいと思います。
僕はというと、保守的でチャレンジ精神のない会社に見切りをつけ、起業の道を選びました。
転職も考えましたが、サラリーマンである限り、悩みは解決されないと思ったんですね。
起業なんて、才能がないと無理と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
僕が起業するきっかけとなった以下のセミナーを見ていただくと、いかに起業が簡単であるかがわかるかと思います。
僕のことはさておき、僕のまわりには高学歴な人が割と多いです。しかし、必ずしも成功している人だけとは限りません。学歴と収入に関係はあるのか、考えたいと思います。